
ハイブリッドワークが定着する中で、「出社したくなるオフィス」への関心が高まっています。
オフィスを「業務を行う場所」から、従業員が自発的に集まり、創造性を発揮できる「価値ある空間」へと再定義する動きが加速しているのです。
昨今のトレンドとして、リモートワークの利便性を認めつつも、対面による迅速な意思決定や企業文化の醸成を目的とした「オフィス回帰」を選択する企業が、日本国内でも増加傾向にあります。
この記事では、従業員のエンゲージメントを高めるオフィスの特徴や、具体的な改善アイデアをご紹介いたします。
目次

「オフィス回帰」が注目される背景
新型コロナウイルスの流行を経て、多くの企業がリモートワークを導入しました。
しかし、感染症が落ち着きを見せる中で、「オフィス出社」の価値を見直す動きが加速しています。
リモートワークには通勤時間の削減や集中力の向上といった一定のメリットがある一方で、対面でのコミュニケーション不足による情報共有の遅れや、企業文化の希薄化といった課題も浮き彫りになりました。
こうした課題を解決し、チームの連帯感を高めるために、オフィスを「単なる作業場所」から「社員が集まる目的地」へと再定義する企業が増加しているのです。
【働き方の移り変わり】2022年と比べて出社回数が増えた会社員はおよそ半数

多くの企業で導入されるようになったテレワーク。
コロナ禍が明けた今も、テレワークと出社を併用したいわゆる「ハイブリッドワーク」を行う企業が多くあります。
この数年で働き方は多様化し、“オフィスで働く”ことの意義も変わってきました。
では、現代の会社員が求めるオフィスの価値とはどのようなものなのでしょうか。
そこで今回、テレワークと出社を併用して働く会社員を対象に、2023年版「オフィス利用の実態」に関する調査を実施しました。
はじめに、最近の出社頻度について伺いました。
「コロナ禍と比べて、出社頻度は変わりましたか」と質問したところ、『増えた(48.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『変わらない(28.4%)』『減った(22.7%)』と続きました。
コロナが明けて以降、出社頻度が増えた企業が多いということがわかります。
そこで、現在の出社頻度を伺いました。
「現在の出社頻度について教えて下さい」と質問したところ、『週に3日(25.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『週に4日(25.6%)』『週に5日(21.6%)』『週に2日(11.1%)』『週に1日(6.8%)』と続きました。
約7割の方が週に3日以上出社していることがわかりました。
ハイブリッドワークを採用している企業でもテレワークより出社することの方が多いようです。
出社は増えたけど…理想とする働き方、第1位は「ハイブリッドワーク」
ここまでの調査で、およそ半数の会社員が、コロナ禍よりも出社頻度が増えたことが明らかになりました。
次に、理想とする勤務形態を伺いました。

「あなたの理想の勤務形態を教えてください」と質問したところ、『ハイブリッドワーク(58.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『完全リモートワーク(22.0%)』『完全出社(19.1%)』と続きました。
およそ6割の方が、出社とテレワークを併用するハイブリッドワークが理想だと回答しています。
その理由を伺ってみましょう。
■ハイブリッドワークを理想とする理由とは?
・在宅ばかりだと気が滅入ってしまうので、たまには直接仕事仲間と会った方がいいと思ったから(20代/女性/千葉県)
・できる限り外出したくないため在宅がいいが、出社でしかできない紙の仕事やコミュニケーションもあるため(20代/女性/愛知県)
・資料作成など集中したい時は在宅、それ以外は出社の方が効率的と考えるため(50代/男性/東京都)
・リモートワークでの通勤時間の有効活用と対面でのコミュニケーション有効性の最適化(50代/男性/東京都)
ハイブリッドワークは、時間の有効活用が叶うため、理想的であるという回答が多く寄せられました。
時間効率を重視する現代のビジネスパーソンならではの働き方が、ハイブリッドワークと言えるかもしれません。
ハイブリッドワークとは?
ハイブリッドワークとは、たとえば、月曜日と木曜日はオフィスに出社してチーム会議を行い、火曜日と水曜日は自宅で集中して資料作成を行う、といった具合に、テレワークと出社を組み合わせたスタイルの働き方を指します。
出社先は必ずしもオフィスとは限らず、シェアオフィスやサテライトオフィスなども含み、場所にとらわれない働き方でもあります。
ハイブリッドワークの最大の目的は、生産性の最大化です。
対面でのコラボレーションが必要な業務と、個人の思考を深める業務を切り分け、それぞれに最適な環境を選択することで、組織全体のパフォーマンス向上を図ります。
ハイブリッドワークは「新しいスタンダード」として定着しつつあります。
約8割がオフィスは必要と回答!その理由とは?
およそ6割の方が、出社とテレワークを併用するハイブリッドワークを理想としていることが明らかになりました。
出社頻度の変化により、オフィスに対する考え方が変わった方も多いのではないでしょうか。
そこで、オフィスの必要性について伺いました。
「仕事をする上で、オフィスは必要だと思いますか」と質問したところ、『必要だと思う(56.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『とても必要だと思う(24.5%)』『あまり必要だと思わない(16.6%)』『全く必要だと思わない(2.4%)』と続きました。
約8割の方が、オフィスは必要だと回答しました。
その理由を伺ってみましょう。
■仕事をするうえで、オフィスが必要な理由とは?
・直接顔を合わせたり、みんなで話し合うことができるから(20代/女性/千葉県)
・拠点はないと困ると思う。新人は仕事を覚えるのにオンラインだけだと難しいと思う(20代/女性/愛知県)
・情報交換の場も必要だから(30代/男性/神奈川県)
・オフィスで働くことによりオンとオフの切替ができる。また会社への帰属感が増す(50代/男性/滋賀県)
これらの回答が寄せられました。
仕事を円滑かつ効率的に進めるには、オンラインコミュニケーションだけでは不十分と考える方が多いことがわかりました。
出社頻度の増加を見込んで?2022~2023年でオフィスに新設備が追加された会社は25%
約8割の方が、オフィスは必要だと考えていることが明らかになりました。
では、コロナ禍以降、オフィスの設備に変化はあったのかを伺いました。
「この1年でオフィスに新しい設備やスペースは追加されましたか」と質問したところ、『追加されていない(54.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『追加された(25.0%)』『追加される予定だったが、されていない(20.6%)』と続きました。
どのような設備やスペースが新設されたのか伺ってみましょう。
■新たに追加した設備やスペースを教えてください
・テレワーク組が出社した時に自由に座れるデスクスペースができた(20代/女性/大阪府)
・集中仕事スペース、オンラインミーティング用個室(30代/女性/神奈川県)
・フリーアドレスにするためのレイアウト変更が行われた。会議室も増え、オンライン会議ができる個人ブースもできた(40代/女性/東京都)
・フリーアドレス化の実施(50代/男性/千葉県)
これらの回答が寄せられました。テレワークと出社のハイブリッドワークがしやすい設備やスペースを追加した企業が多く、コロナ禍よりも出社頻度が上がることを見込んで、快適なオフィス作りに取り組む企業が増えたようです。
新しい働き方に合わせたオフィスにするために。オフィスに必要だと思うものを調査
ここまでの調査で、25%の企業が、コロナ禍以降オフィスに新設備を追加していることがわかりました。
そこで、今後オフィスに必要と思われるものは何か伺いました。
「これからのオフィスの在り方として、必要だと思うものは何ですか(複数選択可)」と質問したところ、『Web会議用の個室スペース(50.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『コミュニケーションが促進できるようなフリースペース(43.1%)』『リフレッシュ用のスペース(38.6%)』『ハイブリッドワークに合わせた最適なオフィスの広さ(30.2%)』『感染予防の観点でレイアウトしたオフィス空間(23.2%)』と続きました。
半数以上の方が、Web会議用の個室が必要だと回答しました。その理由を伺ってみましょう。
■Web会議用の個室が必要だと感じる理由とは?
・Web会議が多いため、個室で落ち着いてできる場所があると助かるから(20代/女性/愛知県)
・リモート主体でオフィスにいても、リモート同様の効率的な仕事ができる環境が必要(50代/男性/神奈川県)
・Web会議が多くなってきているが、共有スペースでの会議では支障があるため、個室があった方が良い(50代/男性/千葉県)
・となりの席でWeb会議をされているとうるさいので(50代/男性/埼玉県)
これらの回答が寄せられました。
テレワークをしている社員や取引先とのオンライン会議の際に、個室を使いたい方が多いようです。
Web会議が一般的になった昨今、必要不可欠な設備と言えるかもしれません。
ハイブリッドワークに適したオフィスの特徴
ハイブリッドワークを前提としたオフィスづくりには、従来の考え方とは異なる発想が求められます。
ここでは、特に重要な4つの特徴をご紹介します。
フリーアドレス制で出社人数の変動に対応
ハイブリッドワークを前提としたオフィスでスペースを有効活用するには、全員分の固定席を設けるのではなく、その日の出社人数に合わせて自由に座席を選べる「フリーアドレス制」が有用です。
出社人数が日によって変動する中で、デッドスペースを減らしながら開放感のあるレイアウトを実現できます。
Web会議用の個室ブースで遠隔メンバーとのやり取りをスムーズに
オフィスに出社していても、クライアントや在宅勤務中のメンバーとWeb会議を行う機会は多々あります。
自席でのWeb会議は周囲への騒音トラブルになりやすいため、防音性能を備えた「個室ブース」を設置すると良いでしょう。
部署別ではなくプロジェクト別のゾーニング
従来の「営業部」「総務部」といった部署単位の配置ではなく、進行中のプロジェクトや業務の性質(集中、協働、対話など)に合わせたゾーニングを行う手法です。
これにより、部署の垣根を越えた連携がしやすくなり、組織の柔軟性が向上します。
カフェラウンジやマグネットスペースでセレンディピティ(偶然の出会いや発見)を促す
「マグネットスペース」とは、給湯室や複合機周辺など、自然と人が集まる場所を指します。
ここにカフェカウンターやソファを配置することで、意図しない交流(セレンディピティ)が生まれやすくなります。
こうした何気ない会話が、社内の風通しを良くし、イノベーションのきっかけとなることが期待できます。
まとめ:ハイブリッドワークに適した設備を検討しよう
今回の調査により、コロナ禍以降のオフィス利用の実態が明らかになりました。
また、およそ6割の方が、出社とテレワークを併用するハイブリッドワークが理想だと回答しており、働き方の多様化が浮き彫りになる結果も出ています。
一方、仕事を円滑かつ効率的に進めるには、オンラインのみのコミュニケーションでは不十分だと考える方も多く、約8割の方がオフィスは必要だと感じていることがわかりました。
さらに、25%の企業が、コロナ禍以降オフィスに新設備を追加しています。
ハイブリッドワークに適したスペースの検討が、社員の満足度と業務効率化のカギと言えそうです。
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