
オフィスデザインにおいてグリーン(植物)取り入れることで、従業員のストレス軽減や集中力向上に寄与するといわれています。
最近では中小企業でも、働きやすい職場環境を整える一環としてオフィスの緑化を推進する動きが広がっています。
このようなトレンドを踏まえ、本記事では、オフィスにグリーンを取り入れるメリットや、取り入れる際のポイント、実際のデザイン事例をご紹介いたします。
目次

オフィスにグリーンを取り入れるメリット
オフィスにグリーンを取り入れるメリットは、大きく次の4点です。
空気環境の改善
オフィス内にグリーンを配置することで、空気環境の改善が期待できます。
これは、植物には光合成により二酸化炭素を酸素に変換し、空気を浄化する働きがあるためです。
一部の植物は有害な化学物質を吸収し、空気中のホルムアルデヒドやベンゼンといった物質を低減する効果もあるとされています。
このため、従業員の健康維持や快適性の向上が可能になります。
たとえば、サンスベリアやポトスといった植物はメンテナンスが比較的簡単で、小規模なオフィスにも適しています。
視覚疲労の軽減
パソコンやデジタルデバイスを長時間使用するようになったことで、多くの従業員が視覚疲労を感じています。
植物の緑色は、人間の目にとってリラックス効果をもたらす波長を含んでおり、目の疲れを和らげる効果があります。
また、オフィス内にグリーンを設置することで自然を感じられる空間が生まれ、視覚的な癒しを提供します。
この結果、集中力や生産性の向上が期待できます。
企業イメージの向上
オフィスにグリーンを取り入れることで、訪問客や取引先に対する企業のイメージ向上にもつながります。
植物を活用したオフィスデザインは、環境意識の高い企業であることをアピールできるほか、心地よい空間づくりへ配慮している企業であると印象に残りやすくなります。
たとえば、受付エリアに観葉植物を配置したり、会議室にグリーンウォールを設置したりすることで、企業のホスピタリティを伝えられます。
ストレスの緩和
オフィス環境のストレス要因を軽減するために、グリーンは非常に有効です。
植物のある空間が心理的ストレスを軽減する効果があることいわれています。
植物を眺めることで、リラックス効果が得られ、従業員の気分転換やモチベーションの維持に寄与するでしょう。
特に、業務中に一息つけるリフレッシュエリアやカフェスペースにグリーンを設置することで、自然と触れ合う時間を提供できます。
オフィスに取り入れるグリーンの選び方
では、オフィスに取り入れるグリーンは、どのように選べば良いのでしょうか?
ここで、選び方の4つのポイントをご紹介いたします。
環境に合った植物や育てやすい植物を選ぶ
オフィスに植物を取り入れる際は、まずその環境に合った植物を選ぶことが大切です。
自然光が十分に入るオフィスでは、観葉植物や多肉植物が適しています。
一方で、窓のないスペースや日当たりの悪い場所では、耐陰性の高い植物や人工光でも育つ種類を選ぶと良いでしょう。
たとえば、スパティフィラムやドラセナは耐陰性があり、空気浄化効果も期待できます。
水やりの頻度が少なくて済むサボテンやエアプランツも、忙しいオフィスには適しています。
メンテナンスのしやすさを考慮する
植物を長くオフィスに置き続けるには、メンテナンスのしやすさを考えることも重要です。
植物ごとに水やりや剪定の頻度が異なるため、管理に手間がかかる種類を避けるのがポイントです。
たとえば、ゴムの木やアグラオネマのような丈夫な種類は、比較的、手間が少なく、初心者でも育てやすいでしょう。
また、水やりや肥料のタイミングを記録できる専用アプリやスケジュール表を活用すると、効率的に管理できます。
さらに、専門の業者に定期的なメンテナンスを依頼することで、植物の健康を保つことができます。
サイズや数と配置を考える
オフィスのスペースに適した植物のサイズや配置を考えることも、緑化を成功させるための重要なポイントです。
たとえば、デスクに置ける小型の鉢植えは、個人スペースを彩るのに最適です。
一方、ロビーや会議室には大型の観葉植物を置くことで、印象的なアクセントを加えることができます。
また、植物の配置についても動線を邪魔しないよう配慮が必要です。
加えて、壁掛け式のプランターやグリーンウォールを活用することで、限られたスペースを有効に使うことができます。
オフィスにグリーンを取り入れるデザインアイデア
オフィスにグリーンを取り入れるデザインのアイデアは多岐にわたります。
ここでは、グリーンを置く場所を切り口に、いくつかの方法をご紹介いたします。
床やテーブル、飾り棚に置く
オフィス内にグリーンを取り入れる最もシンプルな方法は、床やテーブル、飾り棚に植物を配置する方法です。
床には存在感のある大型の観葉植物を置くことで、空間全体にインパクトを与えられます。
一方、デスクやテーブルの上には、小型の鉢植えや一輪挿しを置くと、作業環境に彩りを添えつつ、スペースを圧迫しません。
飾り棚は、特に多様な植物を展示するのに適しており、オフィスに訪れる人々にも良い印象を与えることができるでしょう。
吊り下げる
吊り下げるスタイルを採用すれば、オフィスの空間を立体的に活用できます。
天井から吊るすプランターを使うと、床面を占有せずに緑を取り入れることができます。動線を妨げず、視覚的にも軽やかな印象を与えます。
吊り下げる植物にはポトスやエアプランツのような軽量で育てやすいものが適しています。
エントランスや会議室の一角に吊るすことで、来訪者や従業員に自然の癒しを提供できるでしょう。
壁に飾る
壁にグリーンを配置することで、平面的な壁を立体的に演出することが可能です。
特に人気のある方法が、モスアートやグリーンウォールを用いた装飾です。
こうすることで、オフィス全体のデザイン性を高め、トレンド感を演出できます。
また、壁掛けプランターを使用すれば、空間に合わせたレイアウトが容易で、メンテナンスもしやすいです。
従業員の目が届く場所に設置することで、リフレッシュ効果を高めることができます。
間仕切りとして使う
植物を間仕切りに使えば、デザイン性と実用性を両立できます。
従来のパーテーションに代わり、植物を活用した間仕切りを取り入れることで、空間に開放感を持たせながらも、プライバシーを確保できるでしょう。
移動式のプランターボックスや棚を使用すると、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。 特にフレキシブルな働き方を推進するオフィスでは、このような可動性のあるデザインが役立つはずです。
フェイクグリーンとは?
フェイクグリーンとは、本物の植物ではなく、人工素材で作られた観葉植物のことを指します。
見た目がリアルなものが多く、オフィスデザインに自然の要素を取り入れたいけれど、植物の管理が難しい場合に最適な選択肢となります。特に、日光が入らないオフィスや、メンテナンスの手間を省きたい企業にとって、フェイクグリーンは大きなメリットをもたらします。
フェイクグリーンのメリット
生木ではなくフェイクグリーンをオフィスデザインに取り入れる主なメリットは、次の3点です。
メンテナンス不要で管理が楽
フェイクグリーンは本物の植物と異なり、水やりや日照管理、害虫対策などが不要です。
そのため、忙しいオフィス環境でも手軽に緑を取り入れることができます。
どんな環境でも設置可能
フェイクグリーンは、窓がないオフィスや、空調管理が厳しいエリアでも気にせず設置できます。
湿度や温度の変化に影響されないため、設置場所の選択肢が広がります。
コストパフォーマンスが高い
フェイクグリーンを取り入れる際に初期費用はかかりますが、長期間使用できるため、長い目で見るとコスト削減につながります。
また、枯れる心配がないため、頻繁な買い替えの必要もありません。
生木とフェイクグリーンのハイブリッドとは?
最近注目を集めているのが「生木」と「フェイクグリーン」を組み合わせたハイブリッド型の導入方法です。
生木(リアルグリーン)は、空気の浄化や心理的効果など自然本来の機能を活かすことができる一方で、日当たりや湿度、季節ごとの育成管理が必要となり、メンテナンスの手間やコストが課題となるケースもあります。
一方、フェイクグリーンは手間なく緑を取り入れられるものの、自然の持つ空気清浄効果や香りなどの「生きた植物ならではの魅力」は備わっていません。
このような両者の利点・欠点を踏まえて、「適材適所」で生木とフェイクグリーンを使い分けるというハイブリッドスタイルが、コストと機能性を両立したオフィスグリーンの新しい選択肢として注目されています。
ハイブリッドのメリット
生木とフェイクグリーンを併用することで、以下のようなさまざまなメリットが得られます。
自然効果を享受しながら管理負担を軽減
来客の多いエントランスや従業員のリフレッシュスペースなど、見た目の印象や空気の質が重要視される場所には生木を配置し、緑の効果を最大限に引き出すことができます。
一方で、日当たりの悪い場所や空調の影響が大きい会議室、トイレなどにはフェイクグリーンを設置することで、視覚的な彩りをキープしつつメンテナンスの手間を省くことが可能です。
柔軟なレイアウトが可能
植物ごとの特性を考慮しながら、生木とフェイクグリーンを適切に配置することで、限られたオフィススペースでも効果的な緑化を実現できます。
たとえば、壁面はフェイクグリーンで演出し、休憩スペースのテーブル上には小さな観葉植物を置くなど、動線や使用頻度に応じて自由度の高いデザインが可能です。
コストバランスが取りやすい
全面的に生木を導入する場合と比べて、メンテナンス費用やランニングコストを抑えることができる点も、ハイブリッド導入の大きな利点です。
フェイクグリーンは一度設置すれば長期間にわたって形を保ち続けるため、植物の買い替えや枯れた際の交換などの費用を軽減できます。その一方で、生木の設置箇所には適切な管理体制を設けることで、両者のバランスをとりながらオフィス全体の雰囲気を向上させることができます。
グリーンを活用したオフィスデザイン事例
実際にグリーンを活用したオフィスデザインの事例をいくつかご紹介いたします。
医療機器メーカーらしさを感じられるクリーンな印象にグリーンをプラス(オリジオ・ジャパン株式会社)

レイアウト変更前からカラフルなデザインが社内でも人気だということで、色がありつつ、医療機器メーカーらしさを感じられるクリーンな印象になるようなコーディネートを。
グリーンウォールをあしらった柱がアクセントになっています。
こちらの事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
オフィスデザイン事例|オリジオ・ジャパン株式会社 様
バラエティに富んだグリーンの使い方で多種多様なフリーアドレス席を実現(第一実業株式会社)
フリーアドレス化に伴い、多種多様なデスクを用意する中で、グリーンの使い方もバラエティに富んだものに。
大小さまざまな植物が、オフィスの雰囲気に変化をつけています。
こちらの事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
オフィスデザイン事例|第一実業株式会社 様
訪問客を迎え入れるエントランスに大胆にグリーンを配置(株式会社SUNTAC)
社長様が絵画やアートがお好きなこともあり、働く社員さんがオフィスに来たいと思ってもらえることはもちろん、訪れた方にも印象付けられるような空間を心掛けながらつくったオフィスです。
こちらの事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
オフィスデザイン事例|株式会社SUNTAC 様
印象的なグリーンウォールのエントランス(株式会社キージェント)
当初より、エントランスのグリーンを希望されていました。
多種多様な業界のお客様をお迎えするエントランスには、グリーンウォールにライン照明を合わせて、よりお客様の中に印象に残るようデザイン。
こちらの事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
オフィスデザイン事例|株式会社キージェント 様
来訪者を暖かく迎えるグリーンのあるエントランス(株式会社アンフ・スタイル)
人材派遣の会社であることから、「ご来訪いただいた応募者の方々が安心できて、また来たいと思えるように」というご要望がありました。
面談ブースへ向かうスペースに配置した花壇が、木目のパーテーションとマッチして、あたたかみのある雰囲気をつくっています。
こちらの事例の詳細は、下記のページをご覧ください。
オフィスデザイン事例|株式会社アンフ・スタイル 様
まとめ
オフィスにグリーンを取り入れることで、従業員のストレス軽減や集中力向上といった心理的な効果をもたらすだけでなく、企業イメージアップやオフィス空間のデザイン性の向上にも貢献します。
植物を活用する際には、オフィス環境に合った種類の選定やメンテナンスのしやすさを考慮することが重要です。
また、床やテーブル、壁、さらには間仕切りとして多様な配置方法を活用することで、限られたスペースを有効に使いつつ、デザイン性と実用性を兼ね備えた空間を実現できます。
コストやスペースの制約があったとしても、柔軟な発想と工夫次第で、グリーンを効果的に取り入れることが可能です。
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