こんにちは!またまた中西です!
前回に引き続き、≪Urban Plan Press Vol.1≫に掲載させていただきましたお客様インタビューを抜粋してご紹介いたします。
安心・安全提供企業のコア
24時間365日、世界中を飛び交う情報のなかから災害や事故、テロなどの情報をいちはやく収集し、クライアントのニーズに応じて提供する。
それがレスキューナウの役割だ。
そのコアとなるオフィス「レスキューナウ危機管理情報センター RIC 24(RESCUENOW Information Center 24)」のたたずまいは一般的なオフィスのそれとは大きく異なる。
シアター型に配置されたデスクの正面にはモニターが並び、気象情報や地震情報、放送中のニュース番組などがリアルタイムで映し出されている。オフィスというよりは、指令室といった方がしっくりくる空間だ。
RIC 24(RESCUENOW Information Center 24)
RIC は、災害時などの事業継続性確保のため都内と北陸に1か所ずつ設置されている。なかでも昨年7月にリニューアルを遂げた都内の第1 RICは立地からして独特だ。都心からほど近い神社の境内、傾斜地に立つ本殿の脇にある駐車場の真下にある第1 RICは秘密基地感たっぷりだが、ここに拠点を構えたのはそれが理由ではない。
「ここはもともと神社のお神輿など、大事なものをしまっておく宝物殿として使われていたそうです」と話すのは、レスキューナウ管理部部長代理の筒井正彦氏。約400㎡の床面積は情報センターやオフィスを設けるには手ごろな広さ。倉庫として建てられたため構造も堅牢で、傾斜地に立つため窓は少なくセキュリティが構築しやすい。危機管理情報の収集・発信拠点として、これ以上ない物件といえる。
管理部部長代理 筒井正彦氏
現在の場所で2001年に開設されたセンターも設備更新時期が近づき、近年頻発する大規模災害などに対応するための機能強化も課題となっていたところから全面リニューアルを実施。建物内の内装を刷新した。リニューアルに際して最も優先されたのが、「情報センターとしての機能」。情報を迅速かつ正確に収集し、確実な方法でクライアントに伝達する。レスキューナウではこうした機能を「情報センターの機動性」と位置付け、リニューアルではこれを高めることに注力した。
情報を映し出すモニターの配置や、様々な情報が書き込める壁一面を使ったホワイトボード。緊急時にすぐ「立ち会議」が開けるミーティングスペース、国内外の情勢・状況に応じて現在のセンターの情報収集体制をレッド(非常体制)、イエロー(警戒・支援体制)、グリーン(通常体制)の3色で表す照明など、この施設が持つ機能がそのまま空間デザインとなっている。
優れた機能を持つ施設でも、それを動かすのは人だ。センター内では、通常3交替で業務が続けられるが、スタッフの疲労軽減は提供する情報のクオリティにそのままつながる。ガレージとして使われていたスペースに水回り工事を施し、リフレッシュスペースを設置したのもその理念があったからだ。
リフレッシュエリア
2階部分は他部門のフリーアドレスオフィスとなっているが、現在使用されているのは全体の3分の1ほど。いずれ新しいプロジェクトが始まった際に使用できるよう、あえて余裕を持たせた。
全体の意匠はシンプルさの中にグレード感を添加。間接照明の多用や要所への木調の配置などを随所に施した。またセンターとセンター入り口前のホールは調光ガラスで仕切られており、これを調節することでセンター内部をホールからでも見られるようにできる。
安心や安全を提供する企業のコアを見せることで、企業理念の発信や信頼の獲得にもつながる。
(取材・執筆:フリーライター 久保純一)
<Company Profile>
株式会社レスキューナウ
https://www.rescuenow.co.jp/