
建築やインテリアデザインの現場で使われ、建物の外観や室内を立体的に描くことができる「建築パース」。このツールは、専門知識がなくても完成イメージを直感的に理解できるため、オフィス移転や改装プロジェクトにおいて欠かせない存在となっています。
本記事では、平面図との役割の違いから、パース制作のメリット、制作にかかる期間や一般的な流れまでを紹介しています。業者への依頼前に知っておきたいポイントを押さえ、スムーズなプロジェクト進行にお役立てください。
目次

建築パースとは?

「パース」とは、「パースペクティブ(Perspective)」の略称であり、建築やインテリアデザインの現場では、建物の外観や室内を立体的に描いた「透視図(完成予想図)」のことを指します。
一定の図法に基づいて描かれており、平面的な情報に「遠近感」や「奥行き」を持たせることで、実際にその場に立っているかのような視覚的イメージを伝えるツールです。 かつては手描きが主流でしたが、現在はCG(コンピューターグラフィックス)技術の進化により、写真と見分けがつかないほどリアルな「CGパース」が一般的になっています。
平面図や立面図との違い
総務担当者様が業者から受け取る資料には、パースの他に「平面図」や「立面図」があります。これらは役割が大きく異なります。
● 平面図・立面図(設計図)
○ 役割: 施工業者が工事を行うための正確な指示書。寸法や設備の位置が記号や線で描かれています。
○ 特徴: 専門知識がないと、空間の広がりや雰囲気をイメージするのが困難です。
● 建築パース
○ 役割: 施主(お客様)に完成イメージを共有するためのビジュアル資料。
○ 特徴: 専門知識がなくても、「どんなオフィスになるか」を直感的に理解できます。
つまり、「建築パース」は、設計者とお客様の認識のズレを埋めるための翻訳機のような役割を果たしているのです。
オフィスデザインで使われるパースの種類
オフィス移転や改装のプロジェクトでは、目的に応じて主に以下のパースが使い分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
内観パース

室内(インテリア)の様子を描いたものです。オフィスデザインにおいて最も作成されるのがこの「内観パース」です。 執務室、エントランス、会議室、リフレッシュスペースなど、主要なエリアごとに作成されます。床・壁・天井の素材感、家具のデザイン、照明の当たり具合など、実際の働き心地や雰囲気をシミュレーションするために欠かせません。
鳥瞰(ちょうかん)パース

天井を取り払い、空間全体を上空から見下ろしたように描いたものです。 内観パースでは把握しきれない「全体のレイアウト」や「動線(人の通り道)」を確認するのに適しており、部署ごとの配置バランスなどを客観的に判断する際に役立ちます。
オフィス移転・改装でパースを作成する3つのメリット
「図面さえあれば工事はできるのに、なぜコストをかけてまでパースを作る必要があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、パースの作成はプロジェクトの成功率を大きく左右します。
完成イメージが可視化される
最大のメリットは、完成後の「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防げることです。 例えば、「壁紙のサンプルで見ると良い色だったが、壁一面に貼ると圧迫感があった」「通路が思ったより狭くて通りにくい」といった失敗は、図面だけでは予測しづらいものです。パースによって事前にリスクを可視化し、修正することで、理想通りのオフィスを実現できます。
社内稟議や意思決定を早める
担当者様にとっての大きな課題は、経営層へのプレゼンテーションや社内承認ではないでしょうか。 建築知識が必要となる平面図を見せて会議室の場所などを説明しても、魅力や意図はなかなか伝わりません。一方でパースがあれば、言葉で説明するよりも遥かに雄弁にデザインの意図が伝わります。イメージが明確になることで意思決定のスピードが上がり、結果としてプロジェクト全体の工期短縮にもつながります。
家具配置や配色のシミュレーションが容易になる
パースを使えば、家具の変更やカラーバリエーションの比較検討(ABテスト)が容易になります。 「コーポレートカラーの赤を椅子に入れるか、カーペットに入れるか」「デスクの配置を対向式にするか、島型にするか」など、複数のパターンを視覚的に比較することで、より納得感のある選択が可能になります。
建築パース制作の一般的な流れと期間
実際にパース制作を依頼する場合の流れを紹介します。
通常、内装デザイン会社やパース専門の制作会社へ依頼することになります。
問い合わせから納品までの流れ
- ヒアリング・資料提供: 平面図、立面図、使用する素材の品番やイメージ、現場写真などを提供します。
- アングル(視点)の決定: どの位置から、どの方向を見せるかを決めます(簡易的な線画で確認することが多いです)。
- モデリング・レンダリング: 形状を作成し(モデリング)、色や光の設定を加えて画像化(レンダリング)します。
- 修正(リテイク): 初稿を確認し、色味や細部の修正を行います。
- 納品: 最終的な高解像度データが納品されます。
制作期間の目安
制作期間は、カット数や詳細度(作り込みのレベル)によって異なりますが、一般的なオフィスの内観パースであれば、資料が揃ってから初稿提出まで3日〜1週間程度が目安です。 ただし、繁忙期や大規模な修正が発生した場合はさらに日数を要するため、スケジュールには余裕を持たせる必要があります。
パース制作依頼のポイント
コストパフォーマンス良く、効果的なパースを作ってもらうためには、発注側の準備も重要です。
目的や対象を決める
「誰に」「何のために」見せるパースなのかを明確にしましょう。 社内のレイアウト確認用であれば簡易的なパースで十分ですし、役員プレゼンや対外的なプレスリリース用であれば高品質なパースが必要です。目的に合わせた品質を選ぶことで、無駄なコストを抑えられます。
修正対応の有無や費用感を確認する
パース制作でトラブルになりやすいのが「修正費」です。 大幅なデザイン変更は「修正」ではなく「新規作成」扱いになることもあります。「軽微な修正は何度まで無料か」「大幅な変更の場合の費用はいくらか」を事前に見積もり段階で確認しておきましょう。
まとめ
建築パースは、単なる「きれいな絵」ではありません。関係者間のイメージを統一し、意思決定を加速させ、完成後の失敗を防ぐための「リスクマネジメントツール」です。
パースを効果的に活用することで、経営陣への説得力を高め、社員がワクワクするような理想のオフィスを実現しましょう。
株式会社アーバンプランでは、物件探しから内装デザイン、工事、オフィス家具の販売までをワンストップでサポートしています。
平面図だけでは伝わらないデザインの力で、経営課題を解決するオフィスづくりをお手伝いします。
「完成イメージを見てから検討したい」「社内プレゼン用のパースが欲しい」 という担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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