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働き方改革や社内コミュニケーションの活性化を目指して多くの企業で導入されてきた「フリーアドレス」。
しかし、実際に運用を開始してみると「集中できない」「チームの連携が取りづらくなった」といったフリーアドレスの弊害に悩まされる企業も少なくありません。
オフィスの在り方が大きく見直されている現在、単に座席を自由化するだけでは十分な効果を得られないのが現状です。
そこで、この記事では、独自の調査結果をもとにフリーアドレスの弊害の実態を紐解き、これからのオフィスに本当に求められている環境と改善のアイデアをご紹介いたします。
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目次

フリーアドレスに期待されている効果・メリット
フリーアドレスとは、従業員一人ひとりに固定席を設けず、その日の業務内容や状況に応じて働く席を選択するスタイルのことです。
フリーアドレスにはさまざまなメリットがありますが、特に期待されているのが「社内コミュニケーションの活性化」と「オフィススペースの有効活用」です。
社内のコミュニケーションの活性化
固定席の場合は、基本的に同じ部署やチームのメンバーが近くに座るため、日常的にコミュニケーションを取る相手も固定化しやすくなります。 一方、フリーアドレスでは日によって隣に座る人が変わるため、これまで接点の少なかった他部署の社員と会話するきっかけが生まれます。
部署を越えた情報共有やアイデア交換を促す環境づくりにつながる点は、大きなメリットといえるでしょう。
オフィススペースの有効活用
外出や出張、テレワークなどによって不在の社員が多い企業では、全社員分の固定席を設けると、日常的に使われないデスクが発生します。
フリーアドレスで実際の出社人数に合わせて座席数を調整すれば、余ったスペースを会議室や集中スペース、リフレッシュスペースなどへ転換できます。
特に限られた面積を有効活用したい中小企業にとって、オフィスの使い方を見直せることはフリーアドレスの魅力です。
【独自調査結果】フリーアドレス環境はストレス?!
上記のように、メリットが期待できるフリーアドレス制ですが、実際はどうなのでしょうか?
当社では、2026年8月、フリーアドレス制度が導入されているオフィスに勤務し週3回以上出社する20~50代の会社員1,007人を対象に、「フリーアドレスの運用実態とオフィス環境」に関するインターネット調査を実施しました。
1位:居場所を確認する連絡をするのが面倒だった(35.3%)
「話したい相手の居場所が分からないことで、具体的にどのような困りごとやストレスが発生したか」と質問したところ、最も多かったのは『居場所を確認する連絡をするのが面倒だった』と回答した方で、35.3%を占めました。
固定席の際は座席表などから誰がどの席にいるかが一目でわかったところが、フリーアドレスの場合は話したい相手にどの席にいるかを確認するためにビジネスチャット等で連絡をする必要があり、その手間がかかっていると不便に感じる方が多いようです。
2位:歩き回って探す手間がかかった(25.0%)
2番目に多かったのが、『歩き回って探す手間がかかった』で、25.0%でした。
話したい相手がどこにいるかを本人に連絡して確認する場合は、相手からの返信を待つ必要があります。
直接、探しに行くことで、その待ち時間を減らせまずが、その分、歩き回る手間が発生してしまいます。
どちらの方法を取るかは、時と場合によるでしょうが、どちらにせよ不便さを感じる方は多いようです。
3位:急ぎの相談ができず意思決定が遅れた(24.6%)
続いて、『急ぎの相談ができず意思決定が遅れた』が24.6%でした。
急を要する相談の際に、素早く相手を見つけることができず、その分、意思決定が遅れてしまったというものです。
内容によっては、損益にも大きく関わるため、最も深刻な悪影響だといえるかもしれません。
【独自調査結果】フリーアドレスは社内のコミュニケーション活性化に一定の効果が出ている
このような弊害はあるものの、フリーアドレスには一定の効果も見られるようです。
同調査では、「フリーアドレスであることで、社内のコミュニケーションは活性化されていると感じるか」と質問したところ、約半数が『非常に活性化されていると感じる(10.7%)』『やや活性化されていると感じる(38.8%)』と回答しました。
コミュニケーションの活性化を実感している層とそうでない層が、ほぼ半数ずつに分かれる結果ですが、フリーアドレスによってコミュニケーション活性化に一定の効果が出ていることは間違いなさそうです。
9割以上が席探しや話したい相手を探すのに「5分未満~15分未満」の時間を費やしている
「席探しや、話したい相手を探すために、1日あたり平均してどのくらいの時間を費やしているか」という質問には、『5分未満(38.4%)』と回答した方が最も多く、『5~10分未満(29.4%)』『10~15分未満(23.3%)』と続きました。
ここから、9割以上が席や人探しに「5分未満?15分未満」の時間を費やしていることが明らかになりました。
一人ひとり費やす時間はわずかであっても、毎日のこととして組織全体で積み重なれば、無視できない時間のロスや生産性への影響が生じているかもしれません。
フリーアドレスによってコミュニケーション活性化に一定の効果が出ていることから、席探しや話したい相手を探すためにかかる時間を短縮する策を講じる必要がありそうです。
【独自調査結果】フリーアドレスの効果を最大化するためにオフィスに必要な設備とは?
最後に、フリーアドレスの効果を最大化するためにオフィス環境に必要だと思う空間・設備について質問しました。
「フリーアドレス環境でのストレスや働きづらさは、出社意欲や会社へのエンゲージメント(貢献意欲・定着率)にどのような影響を与えていると感じるか」という質問に対して、『特にマイナスの影響は感じていない』と回答した方以外に、「その課題をなくすために、オフィス環境にどのような空間・設備を増やしてほしいか」と尋ねました。
1位:チームや部署で集まれる固定席またはグループ席(34.8%)
『チームや部署で集まれる固定席またはグループ席』と回答した方が最も多く、34.8%でした。
やはり業務上、最も頻繁にコミュニケーションが必要なのがチーム内・部署内のメンバーなので、話しかけやすい距離で業務をしたいという希望が強いのでしょう。
2位:集中ブースや個室(33.6%)
2番目に多かったのが、『集中ブースや個室』で、33.6%でした。
業務の中には、部署内外のメンバーとコミュニケーションを取ることが有用なタスクもあれば、個人で集中して取り組みたいタスクもあります。
周囲を気にせず、タスクに没頭できる環境も強く求められていることが伺えます。
3位:気軽に雑談できるカフェスペースやラウンジ(29.9%)
3番目に多かったのが、『気軽に雑談できるカフェスペースやラウンジ』で、29.9%でした。
機能的な座席だけでなく、偶発的なコミュニケーションを促す余白の空間へのニーズも一定数あることがわかります。
まとめ
フリーアドレスには、部署を越えたコミュニケーションの促進やオフィススペースの有効活用といったメリットがある一方で、独自調査結果からは「居場所確認の連絡が面倒」「相手を探す手間がかかる」「急ぎの相談ができない」といった弊害も見えてきました。 重要なのは、フリーアドレスを導入すること自体を目的にしないことです。 社員の業務内容や出社率、コミュニケーションの取り方を把握した上で、集中スペースや打ち合わせ場所、社員の居場所を把握する仕組みなどを組み合わせる必要があるといえます。
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「フリーアドレスを導入したものの使いづらい」「今の働き方に適したレイアウトへ変更したい」と感じている場合は、制度だけでなくオフィス空間そのものから見直し、ハイブリッド型オフィスへの再構築に取り組んでみてはいかがでしょうか。


