
職場で「どうしても仕事に集中できない」と感じる瞬間はありませんか?
個人のスキル不足と思われがちですが、実はオフィスのレイアウトや周囲の環境が阻害要因となっているケースも少なくありません。
昨今、中小企業においても生産性向上は急務であり、従業員が目の前の業務に没頭できる環境を整えることは、経営戦略上の重要な課題といえます。
この記事では、職場環境で集中力が削がれる主な理由と、明日から実践できる個人・企業双方の視点での対処法をご紹介いたします。
目次

【独自調査結果】オフィスで集中力が続かないと感じた経験があるのは75%以上!
弊社では、2024年9月、20~40代の正社員1,014人を対象に「集中できるオフィス環境」に関するインターネット調査を実施しました。
同調査で、「現在のオフィス環境で集中力が続かないと感じた経験はありますか?」と質問したところ、『とてもある(25.6%)』『ややある(50.2%)』を併せると8割近い方が「ある」と回答しています。
職場で集中できない理由ワースト5
なぜ、オフィスではこれほどまでに集中力が削がれてしまうのでしょうか。
その主な要因を紐解いていきます。
【独自調査結果】集中力が続かない要因とは?
前述の調査結果の中で、「集中力が続かない要因を選択してください(複数回答可)」と質問したところ、固定席の有無で上位に相違があるものの、1位はともに『周囲の騒音が多い(人の話し声、電話の音、機械音など)』という結果となりました。
音が最も集中力を妨げる要因となっていることが伺えます。
周囲の会話・物音がうるさいから
オフィスには、コピー機の作動音、同僚同士の打ち合わせ、あるいはキーボードの打鍵音など、多様なノイズが溢れています。
特にオープンなレイアウトでは、自分に関係のない会話も耳に入りやすく、無意識のうちに脳がそれらを処理しようとして疲弊してしまいます。
通知など視界に入る不要な情報が多いから
集中力を邪魔する要素は、耳からだけ入ってくるわけではありません。
PCのデスクトップに表示されるチャット通知や、デスクに置いたスマホの画面が光るだけで、集中力は途切れます。
また、常に誰かが前を通り過ぎるような視界の落ち着かない座席配置も、脳に不要な刺激を与え続けます。
話しかけられたり、電話応対や打ち合わせが割り込んでくるから
集中力が途切れる要因として、人からの「割り込み」もあるでしょう。
一般的に、集中できる時間は最大で15分程度だと言われています。
その途中で「ちょっといい?」と声をかけられたり、電話が鳴ったりすることで、仕方がないこととはいえ、集中力はリセットされてしまいます。
通勤や過度な仕事量による疲弊が大きいから
満員電車での通勤によるストレスや、終わりの見えない膨大なタスクを抱えている状態では、脳が防衛反応を起こし、集中モードへの切り替えを拒否してしまいます。
上司や同僚の視線が気になる座席レイアウトになっているから
直接的に邪魔されるわけではなくても、背後に人が通る、あるいは常に上司の視界に入っている状態は、心理的な安全性を損なわせます。
「見られているかも」という微細な緊張感は、クリエイティブな思考や深い集中を妨げる大きな要因となるのです。
職場で集中できない問題への対処法
環境をすぐに変えるのが難しい場合でも、今日から実践できる対処法をご紹介します。
オフィスを管理する総務部門などから従業員へ、以下を案内すると良いでしょう。
ポモドーロ・テクニックなどで適切な休憩を取る
25分の集中と5分の休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」は集中力を断続的に維持させるのに有効です。
「この25分だけはこれに集中する」と決めることで、脳のエンジンをかけやすくなります。
イヤホンを利用して騒音をシャットアウトする
業務上で可能ならば、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを活用しましょう。
物理的に音を遮断することで、自分だけの「集中空間」を擬似的に作り出せます。
デジタルデバイスの通知を制限する
集中したい時間はチャットツールを「離席中」にする、スマホをカバンにしまうなど、強制的にデジタルノイズを断つことで、集中力を維持できます。
オフィスのレイアウトを変更する
大がかりなレイアウト変更をしなくても、デスクの向きを少し変えて視線をずらす、あるいは私物を整理して視界に入る情報を減らすだけでも効果が期待できます。
【独自調査結果】集中力を高める上でオフィス環境に求める設備は?
根本的な解決には、会社の制度や「ハード面」の改善が欠かせません。
従業員が求めるオフィス設備とは何でしょうか?
前述の調査結果の中で、「集中力を高めるうえで、オフィス環境に求める設備はありますか?(複数回答可)」との質問に対する上位結果から、設置すべき設備をご紹介します。
なお、調査結果について詳しくは、下記ページをご覧ください。
【集中できるオフィス環境】固定席orフリーアドレスで比較!働き方別で、求める「オフィス改善策」の違いが明らかに
1位:集中スペースや個室の設置(36.8%)
1位は、直接的に集中できる環境である「集中スペース」や「個室」の設置で、36.8%の人が選びました。
オープンな執務エリアでは、どうしても他者の会話や視線が気になり、深い思考が妨げられてしまいます。
短時間で一気に作業を終わらせたい時に、外部からの刺激を完全にシャットアウトできる場所があることで集中でき、生産性向上につながります。
2位:休憩室やリラクゼーションスペースの設置(29.1%)
2位は、休憩室やリラクゼーションスペースの設置で29.1%でした。
質の高い休憩を取れる環境があるからこそ、デスクに戻った際により高い集中力を発揮できます。
執務エリアから離れた場所にリラックスできる空間を設けることで、オンとオフの切り替えができるでしょう。
3位:デスクや椅子の変更(27.9%)
デスクや椅子の変更を求める人が、27.9%と3割近くもいました。
使いづらいデスクや椅子で業務を行うことで身体的な疲労が蓄積すると、集中力が著しく低下してしまいます。
長時間座り続けても疲れにくいエルゴノミクス(人間工学)チェアや、姿勢を変えてリフレッシュできる昇降デスクへ切り替えることで、従業員の健康管理と業務効率化を同時に実現できます。
設備投資に費用はかかりますが、コストパフォーマンスの高い施策といえるでしょう。
4位:レイアウトを変更する(17.7%)
レイアウトそのものの変更を求める声もありました。 17.7%で第4位です。
たとえば、コピー機などの音が出る機器と執務席を離す、視線がぶつからないようにデスクの向きを工夫するといった工夫だけでも、集中しやすい静寂なエリアを確保することが可能になります。
5位:遮音パネルやパーテーションの設置(17.3%)
4位とわずか0.4%の差で、遮音パネルやパーテーションの設置が第4位でした。
大がかりなリフォームが難しい場合でも、遮音パネルやパーテーションの導入で環境は大きく改善します。
視線を適度に遮るだけで「人目が気になる」というストレスが軽減され、また吸音性の高いパネルであれば、電話や会話のノイズによる集中力の中断を最小限に抑えられます。
6位:フリーアドレスを取り入れる(11.5%)
最後に、「その時の業務内容に合わせて場所を選ぶ」というフリーアドレスを取り入れて欲しいという声が11.5%で、第6位でした。
集中したい時は静かなエリア、打ち合わせを兼ねる時はオープンエリア、といった具合に働く場所を自律的に選べる環境は、結果として全体の生産性を底上げするでしょう。
まとめ
「集中できない」という課題は、決して従業員個人の資質やスキル不足だけが原因ではありません。
多くの場合、オフィスのレイアウトや騒音、予期せぬ割り込みといった「職場環境」が大きく影響しています。
特に限られた人的リソースで成果を最大化しなければならない中小企業にとって、従業員が目の前の業務に深く没頭できる環境を整えることは、生産性向上に直結する重要な経営戦略です。
まずは、デスク周りの整理やデジタル通知の制限といった小さな一歩から始め、中長期的には集中ブースの設置やレイアウトの見直しなど、根本的な環境改善を検討してみてはいかがでしょうか。


