
オフィスデザインにおいて、照明の選定は空間の快適性と業務効率に大きな影響を与える重要な要素です。
適切な照明を採用することで、従業員のパフォーマンスを向上させるだけでなく、来客に良い印象を与えるオフィス空間を実現できます。
一方で、不適切な照明は疲労や不満の原因となりかねません。
この記事では、オフィスデザインにおける照明の選び方や注意点について解説し、最適な照明環境を整えるためのポイントをご紹介します。
目次

オフィスにおける照明の役割
オフィスにおける照明の主な役割は、次の3点です。
業務効率・生産性の向上
オフィスに適した照明は、従業員の業務効率と生産性に直接影響を与えます。
十分な明るさと適切な色温度を持つ照明環境は、集中力を高め、長時間の作業でも目の疲れを軽減します。
例えば、デスクワークには5000K程度の昼白色が推奨されており、視覚的な快適性を提供します。
一方、会議室では、温かみのある照明がリラックスした雰囲気を作り出し、活発な議論を促すことが可能です。
このように、作業内容やエリアごとに最適な照明を選ぶことが重要です。
企業イメージの表現
照明デザインは、オフィスの第一印象を左右します。
受付エリアやエントランスにおけるスタイリッシュな照明は、訪問者に対して企業のセンスや価値観を印象付けることができます。
例えば、ペンダントライトや間接照明を活用したデザインは、洗練された雰囲気を演出します。
また、照明の色や明るさを調整することで、ブランドイメージに合った空間を作ることも可能です。
これにより、企業の信頼性やプロフェッショナルな印象を強調できます。
省エネ対策
近年、多くの企業が環境配慮や省エネの観点から、LED照明の導入を進めています。LEDは、従来の蛍光灯に比べて消費電力が少なく、寿命も長いため、長期的なコスト削減に寄与します。
また、調光機能や人感センサーを活用することで、不要な照明を自動的にオフにすることが可能になり、さらなるエネルギー削減が実現します。
これにより、持続可能なオフィス運営を目指す企業にとって理想的な選択となります。
オフィスに使用する照明器具の種類
オフィスに使用する照明器具の種類は、主に次の4つです。
シーリングライト
シーリングライトは、広い範囲を均一に照らすため、オフィスの基本照明として多くの場面で利用されています。
特徴は、天井に直接取り付けるためスペースを効率的に使える点にあります。
特に、執務エリアや会議室などの大人数が集まる場所で適しています。
また、最近のシーリングライトはLEDタイプが主流で、調光や調色機能を備えたモデルも多く、省エネと快適性を両立できます。
ダウンライト
ダウンライトとは、天井に埋め込む形で設置する照明器具です。
空間をすっきりと見せることができ、モダンなデザインが特徴です。
スポット的な照明として使われることが多く、受付エリアや休憩スペースなどで効果的に活用できます。
また、必要に応じて光の向きを調整できるタイプを選ぶことで、特定のディスプレイやデザインを際立たせることも可能です。
ペンダントライト
ペンダントライトとは、天井から吊り下げるスタイルの照明器具です。
デザイン性が高く、インテリアのアクセントとして活躍します。
たとえば、会議室のテーブル上やカフェスペースのデザインに合わせたペンダントライトを選ぶことで、オフィス全体に洗練された印象を与えることができます。
選択するデザインや素材によって、柔らかい雰囲気や高級感を演出することが可能です。
間接照明
間接照明は、天井や壁に光を反射させて空間をやわらかく照らすタイプの照明です。
落ち着いた雰囲気を作り出すのに適しており、リラックスできる環境づくりに貢献します。
間接照明単体では明るさに欠けますが、複数の照明を組み合わせることで照度を保ったままおしゃれさを表現することも可能です。
オフィスに適した明るさ・色味
オフィスには、オフィスに適した照明の明るさや色味があります。
明るさの選び方
一般的に、デスクワークに適した明るさは500ルクス程度が目安とされており、書類の読み書きや画面作業を快適に行うことができます。
一方、リフレッシュエリアや休憩スペースは、やや暗めの300ルクス程度の明るさに設定することで、リラックスできる空間を演出できます。
適切な明るさを保つことで、目の疲れを軽減し、長時間作業によるストレスを緩和できます。
色味の選び方(色温度)
色味、すなわち色温度の選択も重要です。
照明の色温度はケルビン(K)で表され、オフィスでは主に以下の3種類が使用されます。
昼白色(5,000~6,500K)
白に近い色味で、集中力を高める効果があります。
執務エリアや会議室に最適です。
電球色(2,700~3,000K)
暖かみのある色味で、リラックスできる雰囲気を演出します。
休憩スペースやリフレッシュエリアに適しています。
中白色(3,500~4,500K)
白色と電球色の中間で、柔らかい印象を与えます。
応接室や共有エリアでよく使用されます。
エリアごとの最適な組み合わせ
オフィス全体を快適にするためには、明るさと色味をエリアごとに組み合わせることが重要です。
執務エリア
・明るさ500ルクス、色温度は昼白色(5,000~6,500K)
集中力を必要とする作業空間に最適です。
会議室
・明るさ400~500ルクス、色温度は昼白色または中白色
活発な意見交換を促進するため、明るさと落ち着きのバランスが重要です。
休憩スペース
・明るさ300ルクス、色温度は電球色(2,700~3,000K)
リラックスできる暖かみのある光を採用します。
エントランス・応接室
・明るさ400ルクス、色温度は中白色
柔らかくも洗練された印象を与える照明が理想です。
オフィスデザインにおける照明を選ぶ際のポイント・注意点
オフィスデザインにおける照明を選ぶ際は、以下の4点に注意しましょう。
各部屋の用途に合わせる
たとえば、執務エリアでは作業効率を上げるために明るく、集中力を高める昼白色の照明が適しています。
一方で、会議室では集中とリラックスのバランスを考え、中白色が推奨されます。
リフレッシュスペースや休憩室では、電球色の柔らかい光を採用することで、落ち着いた空間を提供できます。
このように用途に応じて照明を選定することで、従業員に快適な環境を提供できます。
オフィスの内装を考慮して選ぶ
照明は、オフィスの内装デザインと調和することが重要です。
たとえば、モダンなデザインのオフィスでは、シンプルなダウンライトや間接照明が内装にマッチします。
一方、ナチュラルテイストのオフィスには、木目調のペンダントライトや暖かい電球色の照明が適しています。
照明のデザインが内装と調和していることで、空間全体の統一感が生まれ、訪問者にも好印象を与えることができます。
快適な色味と明るさを考慮する(年齢で明るさの感じ方が違うことを認識しておく)
従業員の快適性を最大化するためには、適切な色味と明るさを選ぶ必要があります。 特に、年齢によって明るさの感じ方が異なることを考慮することが大切です。
一般的に、高齢者は若年層に比べて明るさを強く必要とします。
そのため、バリアフリーを意識したオフィスでは、調光可能な照明を採用すると良いでしょう。
また、昼白色や中白色といった作業に適した色味と、十分な明るさを確保することで、目の負担を軽減し、生産性の向上が期待できます。
天井の配線器具の確認をする
照明の選定において忘れがちなのが、天井の配線器具の確認です。新しい照明をスムーズに導入するためには、既存の配線やコンセントの位置、容量を把握することが重要です。
また、配線の配置が適切でない場合は、施工業者と相談して移設や変更を行う必要があります。
事前に天井や壁の配線状況を確認し、選んだ照明が設置可能かどうかをチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
まとめ
オフィスデザインにおいて、照明を適切に選ぶことは、従業員の働きやすさや企業イメージの向上、さらには業務効率や省エネの実現に直結するため、非常に重要です。
これを機に、照明がもたらす可能性をぜひ探求し、理想的なオフィス空間づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか?
もし、照明選びに迷った場合やプロフェッショナルなサポートが必要な際には、オフィス移転・オフィスデザイン・レイアウト設計をご活用ください。
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