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お客様の声
お客様の声 Vol.09
株式会社新日本海洋社 様
合併に伴い、港が見えるオフィスへ移転された株式会社新日本海洋社様。総務部 部長の大塚直子様にお話しを伺いました。
―今回のオフィス移転でこだわられた点は何ですか?
2019年に合併で生まれた当社の主業は曳船業です。横浜や千葉など東京湾内に27隻のタグボートを保有し、大型船の接岸、離岸の補助や航路内での前路警戒など、客船やタンカーが港に出入りする際のサポートをしています。従業員は300名ほどですがそのうち200人以上が船員で、働く場は海の上です。新オフィスの開設にあたっても、海とのつながりを重視しました。
2社の合併でオフィスの集約移転が決定しましたが、開設まで時間的余裕がないなか唯一こだわったのが「オフィスから横浜港が見えること」です。横浜港は当社保有船舶の多くが母港としており、最大の営業エリアでもあります。船舶勤務の従業員の通勤といった実利的な意味もありますが、長年活動の場としてきた横浜の海を離れることは、当社には考えられませんでした。
―合併されるにあたって、オフィスづくりで大事にされたことはありますか?
幸い270坪のオフィスを見つけ即決しましたが、以前は2社のオフィスの合計が340坪ありました。2割以上狭くなるオフィスに2社ぶんの従業員を収容しなければなりません。
結果として面積的には問題なかったのですが、それよりも注力したのが風通しの良いオフィスを構築することでした。文化も仕事の進め方も異なる会社が合併するのですから、両社の間に壁ができてしまうのを防ぎたかったのです。
ならば物理的にも「壁」をなくしてしまおうと考え、このオフィスの執務スペースには壁やパーティションなどの仕切りを一切設けていません。「交じり合うためには上の者が率先しないと」ということで、役員でも社長以外は個室はなし。全員が同じ空間で仕事をしています。おかげで両社出身の従業員に垣根はまったく見られません。
―今回は珍しい設備もオフィスに設置されたそうですね。
曳船業ならではの設備も設けました。当社が保有するタグボート操船シミュレータはさまざまな条件下での離岸・接岸作業をリアルに再現できる国内唯一のシステムなのですが、以前は部屋の隅に置かれていました。それを応接ルームがならぶ来客スペースの一角に専用ルームを設け、そこに設置したのです。従業員のスキルアップに対する姿勢をクライアントに示すことで、信頼アップにつながればという思いからです。
シミュレータルームにはもうひとつ、リクルーティングへの思いも込められています。人出不足が進むなか、広く知られている仕事とはいえない曳船業を志望する人は多くありません。しかもタグボートの操船は、これまで経験を積むことでしか学べませんでした。それがバーチャルで学べることで、未経験者にも興味を持ってもらえればと考えています。